相続放棄手続きを行う場所についてのQ&A

文責:所長 弁護士 湯沢和紘

最終更新日:2021年08月16日

相続放棄手続きを行う場所についてのQ&A

Q横浜近郊に住んでいる場合、横浜の裁判所で相続放棄の手続きを行えますか?

A

 横浜近郊にお住まいであっても、相続放棄の手続きをすることができる裁判所は、横浜の裁判所とは限りません。

 理由は、相続放棄の手続きは、被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所で行う必要があるためです。

 言い換えますと、相続人の方がお住まいの場所は、相続放棄の手続きを行う裁判所との関係では、問題となりません。

 被相続人の最後の住所地は、被相続人の住民票除票または戸籍の附票に記載された住所のことを指します。

 時折、実際にお住いの場所(居所)と、住民票除票または戸籍の附票に記載された住所が異なる方もいらっしゃるので、注意が必要です。

 相続人の方が横浜近郊に住んでいたとしても、被相続人の住民票除票または戸籍の附票に記載された住所が遠方であった場合、その住所を管轄する裁判所で手続きを行う必要があります。

Q横浜近郊に住んでいるのですが、他の相続人は遠方に住んでいます。 このような場合の相続放棄の手続きの仕方について教えてください。

A

 まず原則として、相続放棄の手続きは、各相続人が単独で行うことができます。

 そのため、他の相続人の方がどこにお住まいでも、問題なく行えます。

 相続放棄は、他の相続人の合意を必要としない手続きであるためです。

 他の相続人が横浜近郊以外の場所にお住まいであっても、本来的には、特段他の相続人と連絡を取ることをせず、ご自身だけで相続放棄の手続きを進めることができます。

 もっとも、相続放棄をすると、被相続人の負債が他の相続人に回るなどの影響が生じます。

 そのため、後々のトラブルを防ぐため、特段の事情がない場合は、予め他の相続人へも連絡等をしておくとよいでしょう。

Q今は横浜近郊に住んでいるのですが、実家は遠い場所にあるため、被相続人の相続財産である土地や建物が遠方にあります。このような場合でも相続放棄はできますか?

A

 相続放棄の手続きは、相続財産の所在がどこであっても、行うことができます。

 被相続人の最後の住所地を管轄する裁判所において、相続放棄申述書と付随資料を提出すればよいのです。

 もっとも、一点、注意すべきことがあります。

 相続放棄をした場合であっても、相続財産である土地建物(特に建物)の管理責任が残るという点です。

 遠方に相続財産がある場合、管理をするためにいちいち訪問せざるを得ないという事態に陥ります。

 管理責任から完全に免れるためには、相続人全員が相続放棄をし、相続人不在の状態となった後、裁判所に対して相続財産管理人選任申立てを行う必要があります。

 相続財産管理人が選任されることで、相続人不在の相続財産は、相続財産管理人が管理、処分することになります。

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